今回のテーマは、「ハムストリングの作用 その2」です。

前回は、ハムストリングの代表的な作用である膝を曲げる作用をみました。

今回は、股関節側が動いた場合の作用をみていきましょう。


ハムストリングは、大腿四頭筋(だいたいしとうきん)と裏表の関係になる筋肉ですので、大腿四頭筋作用を比較しながら学ぶのもいいと思います。


ハムストリングが、膝関節ではなく、股関節を動かす場合の作用は、【股関節を伸ばす】です。

少し難しいですが、この股関節を伸ばす作用は、4つのハムストリングを構成する筋肉


・大腿二頭筋長頭(だいたいにとうきんちょうとう)
・大腿二頭筋短頭(だいたいにとうきんたんとう)
・半膜様筋(はんまくようきん)
・半腱様筋(はんけんようきん)


のうち、大腿二頭筋短頭を除く3つの筋肉の作用になります。


なぜなら、大腿二頭筋短頭は、大腿骨から膝下についている筋肉で股関節をまたいではいないので、膝を曲げる作用はありますが、股関節を伸ばす作用はありません。

このように筋肉の作用をみるときは、その筋肉がどの関節をまたいでいるかをみることがとても大切です。

最初は、あんまり細かくみると難しいですが、少しずつ個々の筋肉の違いを知っていくと、解剖学がより楽しくなります。

今回のハムストリングの作用は、骨盤側に下肢が引っ張られた場合の作用です。


次は、ハムストリングの3つ目の作用です。
下肢側が固定されていて、下肢側に骨盤が引っ張られるとどんな作用になるかをみてみましょう。