今回は、手の骨をみてみましょう。
これまで腕から手にかけて解剖学で見える化しながら、上腕骨(じょうわんこつ)と尺骨(しゃっこつ)、橈骨(とうこつ)という3つの骨をみました。
僕たちの腕の上腕部分には、上腕骨という骨が1本あり、前腕部分は、尺骨(しゃっこつ)と橈骨(とうこつ)という2本の骨に分かれています。
手の骨は、1つではなく、たくさんの小さな骨の集まりです。
手首側は、8つの小さな骨がひと塊になっていて、ラグビーボールのような楕円形をしています。豆くらいの小さな骨や、少し細長い骨が手の中にはいっぱいあります。
手のひら部分は、皮膚上でみると、板状に見えますが、実際は、指と同じように細長い骨が並んでいます。
この手のひらの骨が板状のひと塊の骨ではなく、1本1本に分かれているということが分かるだけでも、手のボディイメージが変化します。
その結果、手を指先だけ使うのではなく、手のひらから大きく使う意識に変わります。
骨格模型でリアルにみてみましょう!
橈骨、尺骨と手の骨のつなぎ目の関節、手関節が得意な動きは、手首の曲げ伸ばしと、横に曲げる動きです。
ぼくたちの体は、骨の形にそって動くようにできているので、関節部分の形が分かると、その関節がどんな動きをするかもわかります。
パソコン作業のように前腕を内側にひねった形ばかりを長時間とっていると、手関節が硬くなっていることがよくあります。
こういった人の手首は、手首を小指側に曲げにくかったり、手の指が伸びにくかったりします。
この体の歪みや硬さは、手や手首の痛みだけでなく、肩こり、首コリなどに影響がでやすくなります。
体の中が見えないと、体に疑問や問題が起きたときも、なぜそうなったのかが分からないのでどうしたらいいかが分かりません。
解剖学で体の中を見える化して構造やしくみが分かっていると、なぜそうなっているかや、それに対してどうしたらいいかがだんだんと分かっています。
これは、体に対する観察、分析力が高まるからです。
旅行するときに地図帳があると、旅がしやすくなるように、複雑な体も、解剖学を学ぶと、体を俯瞰的にみることができるので、疑問や問題解決をしたいときにとても助かります。
まずは、じっくり手の骨を眺めて、かたちをイメージできるようになりましょう。
1回みただけでは、イメージできるようになるのは難しいので、何度も手の骨をみてください。
そして、スポーツや日常生活の姿勢つくりのときに手の骨を意識して動いてみましょう。