![](https://anatomy-yoga.com/wp/wp-content/uploads/2021/02/acbf0eb310cff0215dd97684b0deb8d9-5-1024x1024.png)
ドアを開ける、荷物を持つ、洗濯物を干すなど肩を使う場面をあげたらキリがありません。
肩を動かす筋肉はたくさんありますが、いっぺんに知るのは大変なので、今回は体の表面をおおっている大きな筋肉を中心に見ていきたいと思います。
今回見ていく筋肉は、
・三角筋(さんかくきん)
・大胸筋(だいきょうきん)
・広背筋(こうはきん)
です。
肩の中をのぞいてみると三角形の平べったい形をした肩甲骨と細長い上腕骨があります。
![肩甲骨](https://anatomy-yoga.com/wp/wp-content/uploads/2020/05/83941634abea58699d13e5b760de9841-2-1024x1024.png)
![上腕骨](https://anatomy-yoga.com/wp/wp-content/uploads/2020/05/333df33204ba76a6d9e0aab763e4a272-4-1024x1024.png)
このつなぎ目の部分が肩関節です。
肩のつなぎ目に注目して、上腕骨をみると、肩の先端が丸くなっています。
この形のおかげで関節がくるくると回り、肩につながる腕をいろんな方向に動かせるのです。
![肩関節](https://anatomy-yoga.com/wp/wp-content/uploads/2020/05/c9c9baaf198b2fc2a7722c11fe156251-1-1024x1024.png)
ただ、関節は骨なので、関節自体は自分では動くことができません。関節を動かしているのは筋肉です。
肩を動かす筋肉を見てみよう!
肩の浅い部分には、三角筋、大胸筋、広背筋がついています。今回はこの3つの筋肉をみていきます。
深い部分には、ローテーターカフという小さな筋肉がついています。
![](https://anatomy-yoga.com/wp/wp-content/uploads/2021/02/246cb8587ba8038341894e0db8710413-5-1024x1024.png)
![](https://anatomy-yoga.com/wp/wp-content/uploads/2021/02/0a63d1100f1ce3e8d06d9fc60fe0da08-5-1024x1024.png)
棘下筋(きょっかきん)
小円筋(しょうえんきん)
ローテーターカフは肩関節を安定させる4つの小さな筋肉(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)の総称です。このローテーターカフは、また別の記事でみていきます。
三角筋(さんかくきん)
肩が自由に動かせるのは働き者の三角筋のお陰です。
肩の一番浅い部分に、肩の関節をおおうようにつき、肩の丸みをつくっている筋肉です。腕をぐっと持ち上げてくれます。
この筋肉はひろげると三角形の形をしているので、その形が名前の由来になっています。
この筋肉は、肩甲骨と鎖骨から上腕骨の外側まで肩関節を包み込むようについています。
筋肉がくっついている骨の部位を解剖学では、起始停止(きしていし)といいます。
三角筋の起始停止
起始:肩甲骨の突起と鎖骨の外側(イラストの緑の部分)
停止:上腕骨の外側(イラストの青の部分)
![](https://anatomy-yoga.com/wp/wp-content/uploads/2021/02/68b45f8b13f5af1622ea1680c267b784-1024x1024.png)
つぎは、筋肉の働きです。
筋肉の働きのことを解剖学の作用(さよう)といいます。
三角筋の作用
作用1:三角筋の前側が働くと、腕を前に上げる
![](https://anatomy-yoga.com/wp/wp-content/uploads/2021/02/b622c1d71242e1962e5be5b5af595916-5-1024x1024.png)
作用2:三角筋の後ろが働くと、腕を後ろに上げる
![](https://anatomy-yoga.com/wp/wp-content/uploads/2021/02/41d1285b538a3821d6316e420b12643d-5-1024x1024.png)
作用3:三角筋の横が働くと、腕を横に上げる
![](https://anatomy-yoga.com/wp/wp-content/uploads/2021/02/0d221f180cfcaf25513cf69587f9789b-5-1024x1024.png)
このように、筋肉が働く部位によって、腕をいろんな方向に挙げてくれます。
次は、日常生活の中でどんな時に活躍しているかをみてみましょう。
実際の生活の中で筋肉を意識すると、筋肉を覚えやすくなるし、生活の中でどんな時にその筋肉に負担がかかっているかが分かったり、体の動かし方が変わります。
髪を乾かす時
例えば、紙を乾かすために、ドライヤー を頭の方へ持ち上げる動作で活躍しています。
![](https://anatomy-yoga.com/wp/wp-content/uploads/2021/02/064b066138ed5d1cc13ed2db37e1cad3-5-1024x1024.png)
バレーで腕を振り上げる時
腕を上の方へ振りあげるときに使われので、バレーボールでのアタックの時に三角筋を活躍しています。
![](https://anatomy-yoga.com/wp/wp-content/uploads/2021/02/0ea5ea54b66eb67394b2f818b2a2f6da-5-1024x1024.png)
次は、大胸筋(だいきょうきん)をみてみましょう。
大胸筋(だいきょうきん)
腕を体の前に動かすのに欠かせないのがこの大胸筋です。
大胸筋は胸の浅い部分にある扇形の筋肉で、腕の骨を内側に引っ張ります。いわゆる「胸板」といえばこの筋肉です。鍛えるとかっこいい筋肉です。
この筋肉は、鎖骨、胸骨、腹部から上腕骨の外側まで、肩関節の前をまたぐように着いています。
大胸筋の起始停止
起始:鎖骨の内側、胸骨、腹筋の一部(イラストの緑の部分)
停止:上腕骨の外側(イラストの青の部分)
![](https://anatomy-yoga.com/wp/wp-content/uploads/2021/02/955ab3383cbeb06e4be7cd2dddc7671e-5-1024x1024.png)
次は大胸筋の作用をみてみましょう。
大胸筋の作用
作用1:腕を体の前へ動かす
大胸筋は幅広い筋肉なので、ついている部位によって、腕を動かす方向が変わります。
・鎖骨につく部分は、腕を鎖骨の方へ動かす
・胸につく部分は、腕を胸側へ動かす
・腹筋につく部分は、腕をお腹側へ動かす
![](https://anatomy-yoga.com/wp/wp-content/uploads/2021/02/6620db4299174b9715a3347f476faa66-4-1024x1024.png)
作用2:腕を内側にひねる
![](https://anatomy-yoga.com/wp/wp-content/uploads/2021/02/9b581768a7f16dab677c2b891926bd3b-5-1024x1024.png)
となります。
次は、日常生活の中でどんな時に活躍しているかをみてみましょう。
腕立て伏せをするとき
腕立て伏せで体を持ち上げる時、そして、下げるときに体重を支えるときにもこの筋肉は活躍しています。
![](https://anatomy-yoga.com/wp/wp-content/uploads/2021/02/9e227cafb5d2b14961233ddd4546926a-5-1024x1024.png)
ハグをするとき
他にも、腕を胸の方にぐっと近づける時に使われので、ハグの動きで大胸筋は活躍しています。大胸筋を意識してハグしてみましょう。
![](https://anatomy-yoga.com/wp/wp-content/uploads/2021/02/47beed89acb4242027af06784bdb2f1a-5-1024x1024.png)
最後は、広背筋(こうはいきん)をみてみましょう。
広背筋(こうはいきん)
背中をおおう筋肉といえば、この広背筋。人体で最も広い筋肉です。この筋肉はとても大きな筋肉で、他の肩を動かす筋肉と違って、肋骨や背骨、骨盤の骨にもついています。
![背骨](https://anatomy-yoga.com/wp/wp-content/uploads/2020/05/48b14ba2d483a9c2c2977ed1f8cfc037-2-1024x1024.png)
![背骨](https://anatomy-yoga.com/wp/wp-content/uploads/2020/05/d7ce0ce953df06fd2c6cb0a11d5fa19b-2-1024x1024.png)
![骨盤](https://anatomy-yoga.com/wp/wp-content/uploads/2020/05/3ec9621d2367881134b1d3185d8c750c-2-1024x1024.png)
広背筋は、いくつもの関節をまたぐようについていて背中、肩甲骨、肩の動きに関わっています
とても大きな筋肉でスポーツにおいて強力なパワーを発揮します。腕を大きく使う水泳選手の広い背中を作っているのはこの広背筋です
広背筋の起始停止
起始:第7胸椎~骨盤の後面、肩甲骨の下端、肋骨の下部
停止:上腕骨の前面
![](https://anatomy-yoga.com/wp/wp-content/uploads/2021/02/563dc4ba6d28ee560aff059c55784300-3-1024x1024.png)
次は広背筋の作用をみてみましょう。
広背筋の作用
作用1:腕を背中側へ引く
![](https://anatomy-yoga.com/wp/wp-content/uploads/2021/02/fa29f5f9fcedddad4bb490677c48a584-3-1024x1024.png)
作用2:腕を内側へひねる
![](https://anatomy-yoga.com/wp/wp-content/uploads/2021/02/13c052f396a73fcbc5193acc1266a93b-5-1024x1024.png)
最後は、日常生活の中でどんな時に活躍しているかをみてみましょう。
懸垂(けんすい)をするとき
上げた腕を骨盤の方へ行く時に働く広背筋。鉄棒につかまり、体をグイッと持ち上げる時に活躍しています。
![](https://anatomy-yoga.com/wp/wp-content/uploads/2021/02/9c5afc8fc239d5a3ede14abbb96c40df-5-1024x1024.png)
ボートをこぐ
ひじを背中の方へ引く動きでも広背筋は働いています。白鳥ボードを漕ぐ時はオールを引くために活躍しています。
![](https://anatomy-yoga.com/wp/wp-content/uploads/2021/02/45691d3e3dfe989e139a6d64cb1e2783-6-1024x1024.png)
日常生活の中で、こういったときに筋肉に負担がかかっているので、やりすぎると、コリや痛みを起こすことがありし、使わなすぎると、逆に筋力が弱くなるといったことも起きます。
こういったことが分かってくると、体の使い方を変えることで負担を減らしたり、コンディショニングをしたり、体力強化をはかったりすることもできるようになります。
今回は、肩の筋肉の中でも、肩関節の表面についている(アウターマッスル)を中心にみてきました。
筋肉には、それぞれ役割がありますが、今回お伝えした、三角筋、大胸筋、広背筋は、肩関節を大きく動かすのが得意な筋肉です。
次回は、肩の深い部分について肩の関節を安定させてくれている筋肉、インナーマッスルをみていきたいとおもいます。